2009年11月03日

青い空

青い空

ある日
からっぽが やってきた
わたしは じぶんのなかが
いっぱいだったので
うれしくなって
からっぽのなかに つぎつぎいれた

なんかいもの しっぱいや
だれかをきずつけたこと
いっぱいのわすれものや
できていない しゅくだい

とうとう じぶんまで
ほうりこんだ

からっぽの中で
わたしは 
青い空をさがした

でも
いっぱいになってしまった
からっぽは
ほうりこまれたものをなげだし

すこし おくれて
わたしも立っていた

もし こんど
からっぽにであったら
わたしは
青い空をいれたい




「ノート」より

お知らせ

まど・みちおてん(ART  EXHIBITION)

2009年11月14日(土)→12月27日(日) 休館はお問い合わせください。
山口県 周南美術博物館 TEL(0834)22-8880
セミナー、ギャラリートーク、コンサートなどイベントもあります。
11月16日は100歳のお誕生日です。


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posted by YH at 09:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩(風の中の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月19日

雨やどり

雨やどり

改札をでて
あかんぼうをだいたおかあさんが
立ち止まっている

――こまったわね
  やむかしらね

おかあさんは
白い毛糸のぼうしの
あかんぼうに話しかけている

あかんぼうは
おかあさんの顔をじっとみている




『いますぐがいい』より

柿の実が赤くなってきましたね。
柿にどんな時間が流れているのでしょう。

子どものとき、壺井栄の『柿の木のある家』を読んで、
いつか、柿の木のある家に住みたいと思っていました。
それが偶然、借家でしたが、
庭に柿の木が2本ある家に、10年ほど住んだことがあります。
柿の木をみるたびに、ふと、うれしくなっていました。

子どものときの愛読書は、
『秘密の花園』『若草物語』『赤毛のアン』『アルプスの少女』などで、
いつも、その主人公のようになりたいと思っていました。

そのときの講談社の本が、いまも本棚にあります。
背表紙の題の文字が、もう消えそうになっています。
本にも時間が、流れていたのですね。


posted by YH at 15:19| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩(家族の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月07日

白葱

白葱

まっすぐな一本の決心





『レモンの車輪』より

いま 新蕎麦の季節ですね。
信州の一面の白い蕎麦の花を思い出します。
はじめて、蕎麦の花を見たとき感動しました。

そのとき、私はバスに乗っていました。
駅に停まると、お母さんにおんぶされたあかんぼうが、乗ってきました。
あかんぼうは、にこにこ笑っているので、
おもわず、あかんぼうの手に触れると、
私の指をにぎって、離さないのです。
そのうち、あかんぼうは眠ってしまいました。

そろそろ、私も降りなければいけないので、
そうっと、指を離そうとしましたが、抜けないのです。
しっかり、にぎっているのです。
その強さに、はっとしました。
小さなあかんぼうの中に、こんなに力強いものがあったのですね。

この季節、可憐な蕎麦の花の強さと、
あかんぼうの、生きる強さが重なります。


     お知らせ 

「児童文学セミナー in 花巻」
―賢治のふるさとで児童文学を語ろう・・・賢治から受け継ぐものー
* 日時 11月8(日)・9(月)日+10(火・オプション。遠野)
* 会場 花巻大沢温泉・菊水館
講演、実作指導などのプログラムがあります。

お問い合わせは,日本児童文学者協会 03(3268)0691
多くの方のご参加をお待ちしております。
posted by YH at 09:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩(風の中の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする