わたしの中の家
こんなに遠くに 来てしまった
とおもっていたのに
帰ってきていた
わたしの中の家へ
子どものとき
みえなかったものが
いま みえる
父や母
祖母の
つつましやかな愛
それから 出会えた
やさしいひとたち
――ずっと ここにいてもいいですか
辿りついて
また はじまっていける
わたしの中の家から
「ノート」より
子どものとき、部屋のすみっこに
椅子や座布団などで囲って、
小さなすきまを作るのがすきでした。
じぶんだけの空間に、
すきなおもちゃも運びこむ。
枕もおいて、寝たふりもする。
それから
「ごめんくださいって、あそびにきてね」
みんなに そう言ってまわってから、じっと待っている。
そして、
だれかが遊びにきてくれると とても うれしかった。
じぶんから かくれているのに 待っていたのですね。



