2012年10月03日

道の駅舎

川柳ポエトリー「道の花舎」というA4を三折りの詩誌があります。
代表は永田明正氏です。美しい季節の花のカラー版で、川柳中心に、毎号いろいろな方のエッセイが載っています。その10月号のエッセイに欄に、書かせていただきました。
このブログをみて、お声をかけてくださったこと、とてもうれしく思いました。

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子どもの時に出会った詩  はたちよしこ

「私の耳は貝の殻、海の響きをなつかしむ」ジャン・コクトーの詩です。
子どもの時、母が教えてくれました。戦後十年程の日本、まだ日々の食物にも苦労していた頃です。けれど、母は、この詩に海の輝きを見つめ、私に話したのだと思います。神戸で生まれ育ち、夏休みは海に行く私にとって、自然に詩になじみ、以来ずっと心の中にありました。やがて長い時を経て、改めて詩の深い思いに出会いました。

昨年3月11日、東日本大震災がありました。早い復興を願わずにいられません。17年前には、阪神淡路大震災がありました。当時、母は神戸で一人暮らしていました。幸運に母は助かりましたが、家は全壊状態で、更地にする手続きに役所を回らなければなりませんでした。最後に書類を出したのは須磨でした。ようやく手続きを終えて須磨駅にもどって来た時、ふと、海を見たくなりました。

須磨駅は、駅の階段を下りるとすぐに砂浜です。海は震災があっても、子どもの時と変わりませんでした。海は輝いていました。私はコクトーの詩を思い出し、貝殻を拾って耳に当てました。その時、波の音に混ざり、間もなく壊わされていく家の家族の笑い声、トントンと二階へ上がる階段の音が聞こえてきました。

現在、私は児童文学の「少年詩」という子どもに向けての詩(中学生まで)を書いています。子どもの時に出会った詩は、時を経ても、心を支えてくれると思いつつです。

風     はたちよしこ

だれもいないのに                      
ぶらんこがゆれている

こどもたちが
かえってしまったあと

やっと
風のじゅんばんがきて

(小学2年国語教科書)

posted by YH at 14:37| Comment(2) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はたちさん こんにちは。
 
うれしいお知らせでしたね。

このブログがどこかの誰かに読まれて
その方の心を和ませて
時が経っても消えないで
ふとしたときによみがえる。

そんなすてきなことが起こるのですよね。

つらい時や 涙があふれる時に
刻まれていた詩が浮かび上がって
それがいのちの水のように
沁み込んでくることもあると思います。

コクトーの詩の思い出
いいおはなしでした。

今日もやさしい気持ちにしていただいて
ありがとうございました。
Posted by もあママ at 2012年10月03日 17:19
もあママさん
コメントをありがとうございます。
もあママさんや、ブログを見てくださっている方がおられること、
とてもしあわせです。ありがとうございます。

きょう、お花屋さんの横を通りましたら、
かすかな菊の香りがして
思わず足を止めました。
鉢植えがいくつかあったのです。
思わず、花に顔をくっつけました。

子ども頃、家の庭にあった菊、父母と菊花展に行ったこと、
小学校でみんなで菊を育てたことなど、
胸がいっぱいになりました。
菊の香りが、こんなにもなつかしく心揺らしてくれるのですね。

午後は、下校の防犯パトロール中に雨。
私の小さな傘に、子どもたち3人も入ったりでした。
雨に濡れるのも、いいですね。

いつも、コメントをありがとうございます。
どうぞ お元気でね。

Posted by はたち at 2012年10月03日 19:14
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