2013年11月21日

五・七・五であそぼ!

しっぽ から ピアノ      はたちよしこ


 しっぽ

枯野ゆくわれに短きしっぽあり

椅子たおし風のしっぽや冬の空

電車にもしっぽあるらし枯野原

 ふゆ

理科室にフラスコ光る冬休み

部屋のドア難破船のごと冬休み

平均台端は冬野につづきをり

 ゆき

初雪のかたちあるものに触れにけり

降る雪の直方体のなかにいる

悲しみは汚れていないぼたん雪

 ピアノ

シマウマはピアノ鍵盤冬日さし

冬空は一枚の楽譜ピアノ弾く

海というピアノ鳴りだす初冬かな



「日本児童文学11−12月号」より

この秋、現代詩のいろいろな詩誌でも、
詩だけでなく、短歌、俳句が取り上げられ掲載されています。
偶然、「日本児童文学」でも、俳句、短歌を掲載。
私は、子どもたちに、5・7・5であそんでもらいたく、俳句を。
きっと、子どもの日常には、たのしい句が生まれるのではと期待しています。

昨日水曜日は、小学校の防犯パトロールでした。
いつも、子どもたちとあそびながら帰ります。
(あそびすぎて、いつか、先生や他のパトロールの方に叱られるかも・・と心配しています。)

女の子たちは、手をしっかりつないで離さない、腕にもぶらさがってきます。
「おばさん もっと、手がないの?」と??
男の子は、私が、せっかくひろったきれいな落葉を散らせて、逃げて行きます。
そして、追いかけられるとおもって、かくれています。

子どもたちのしぐさは、昔と変わらないのですね。
いつか、こんな日々を越えて、素敵に成長していくのですね。


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2013年11月13日

わくわくタイム

昨日は、地域の小学校3年生の生徒さんたちが、
家を訪ねてくれました。
「わくわくタイム・(総合的な学習の時間)」
(地域のいろいろな人を紹介しよう・計画訪問)でした。

消防署、時計修理、畳屋さん ケーキ屋さん、医者・・・などなどを班に分けて訪問。
私のところには、「詩について」です。
6人の子どもたちから詩について、質問を受けました。
たとえば、
*詩の中で好きなことばはなにですか?
*詩を書くのをやめたくなったことはありますか?
*書いていて、うれしことはなにですか?
*詩を書けたときは、どんな気持ちですか?

ひとことでは、なかなかむずかしい、「うーん・・・・・」???

詩を書けたときの気持ちは?・・・
「はい、うれしいけれど、また、次へ・・・いつもスタートラインに立っている気持ち?」
と、いいましたら、しっかりノートされました。

父兄が、お一人付き添って来られましたが、
時間がなく、子どもたちもいそがしいのですね。
また 遊びに来たいといって、約束をして帰りました。
後で、先生からお電話。
「なにか失礼はありませんでしたでしょうか?」
「とても 礼儀正しい生徒さんたちでした。ありがとうございました。」
と、たのしいひとときでした。


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2013年09月22日

運動会

21日(土)は、防犯パトロールをしている小学校の運動会でした。
朝の開会式から、閉会式までみてしました。
子どもたちのいっしょうけんめいの演技に、感動しました。

リレー、玉送り、などなど
けれど、中でも、プログラム最後の 6年生全体の
「いくつもの日々を越えて〜夢へ、そして未来へ」は、
目頭が熱くなりました。
これは、組体操です。
身長の大きな子が土台になり、順に上へ組み立てていきます。
下の子は、地面に両手足をつけ、支えなければ崩れます。

てっぺんに立つ子も責任があります。
上で両手を広げ、笛の鳴る瞬間に立たなければなりません。
だれもが、泥だらけの体操服。泥を払う子はだれもいません。

本番まで、みんなで、いっしょけんめいの練習があったこと、
一生、忘れないでいてほしい。
拍手を送っても送っても送りたりない気がしました。

防犯パトロールをしていて、
この6年生の子どもたちは、よくわが家に遊びにきました。
これから、子どもたちに明るい未来が広がっていくことを
こころより祈っています。
この小学校の校歌は、少年詩も書いておられる宮澤章二氏です。


          130922no 022.jpg
          台風一過、家からみた空


        130922no 009.jpg
        画家 橋本清一氏の絵(先日の展覧会で)
        ささやかな「小さな詩集」4号にも画くださった。

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2013年07月13日

ある画家

ある画家

山の写生を おえると
その画家は
山に
ていねいに おじぎをした

湖の むこうの山に
きちんと
ぼうしを とって

わたしは 生まれてから
人びとのあいだにいて

気づかないまま
なんまんかいの ありがとうを
いわずに きてしまったのだろう


「またすぐに会えるから」

日本カトリック幼稚園連盟から発行されている
「ひかりの子」という冊子にこの詩が掲載され、うれしく思っております。
子どもたちの写真がかわいいです。

その冊子の編集後記に
「・・・・・家族がそろって食卓を囲むのは子どもにとって、大きな喜びです。
この時こそ、おかあさんの味を伝えていきましょう。
おかあさんの味は子どもの心を豊かに成長させ、
その味を生涯忘れることはないでしょう。(K・T)」と。
ほんとにそうですね。私の作っているお料理は母の味なのでしょうね。
ずーと続いていくのですね。

「いただきます」「ごちそうさま」も日本語の大切にしたいことばですね。
世界にもあることばなのでしょうか。


    10608芳子ケータイ 026.jpg 
     ドクダミの八重の花

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2013年05月18日

詩誌「こだま」

「こだま」という詩誌があります。
年2回発行。主宰は保坂登志子さんです。
参加自由(掲載負担)で、大人、小学生も参加。250編?は載っています。

保坂さん、高橋あかねさん 松尾美成さん編集と共に、
海外の子どもたちの詩を翻訳、原文と共に載せています。
外国のこどもたちの気持ちや、生活が伝わってきます。
以前からずっと愛読でしたが、今年から、詩も参加させていただきました。

「こだま」に寄稿の長野の小学校の6年生の生徒さんたちから
お手紙をいただき、詩をたのしく読んでおられることにおどろきました。

お返事に、みなさんの詩の感想を書きましたが、
子どもたちの感想の方が、生き生きしていると思いました。詩の感想の一部を・・



「真冬の夜の夢」
「「夜は少しだけ逆もどりし」に感動しました。」
「最初はまったりしたかんじで、最後が大人ぽっくておもしろかった」

「トカゲ」
「どこの県にも夏の風が吹いているは、トカゲ全体に風があたっていることだと、
ぼくはおもいました」
「はたちさんに見られて詩にかかれたトカゲは、しあわせですね」
「「トカゲの形は日本列島」と、なんでもありということができる詩がすきです」
「まあ、とにかくふしぎだなかんじ、はたちさんにもあるとおもいます」

  みなさん、ありがとうございました。大切にします。


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2013年03月22日

下敷き

         
小学生の時、休み時間に下敷きで遊んだ。
鉄粉をのせ、裏から磁石で動かすと、いっせ
いに風に流れるように動いた。何度しても楽
しかった。冬には腕の間に挟み、こすっては
静電気をおこし、髪の毛を逆立たせた。授業
中、後ろから友達の髪の毛にもいたずらした。
らくがきもしたけれど、時どき、お風呂でピ
カピカに洗った。
けれど、六年生のころから、下敷きを使わ
なくなった。ノートにそのまま書けるのが得
意だった。大人になった気がしていた。ただ、
気がしていただけなのに。
もう一度、あの下敷きに会いたい。


「ノート」より

きょうは、登下校防犯パトロールしている小学校の卒業式です。
朝、登校の列に防パトに出ました。
きょう、6年生は正装、男子はネクタイに背広。
9時半から卒業式。一人ずつ全員が短いことばをいうそうです。

「6年生、おめでとう!班のみんなで拍手してあげようよ。」
私は、どの班にも声を掛け、拍手をしました。
6年生は、やはりうれしそうでした。ずっと、班での登校仲間ですものね。

1年生のとき、いっしょに家まで送って帰った子どもたち。
葉っぱで遊んだり、なぞなぞしたり、はしゃいだりでしたね。
「中学生になっても、おばさんをみつけたら声をかけてね」
制服の中学生になると、見違えるように大きくなってしまうのですから。

ひとり、帰り道、
なんだか寂しくなった。おめでとうなのに・・・。

子どもたちの未来が平和でありますように。


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2013年02月20日

土しょうが

土しょうが

おろしがねのうえを
いったり きたりしているあいだに
がんこな わたしは
やわらかく すりおろされていた

これからは だれかと
うまくやっていけそうな
あたらしい じぶんになっていた



『レモンの車輪』より

先日、防犯パトロールのときでした。
一年生の子どもたちが、
私の耳のそばで、「わつ」と大声を出したので、
「もう きょうは、耳、日曜!」といったら、
「それって、なにのこと?」と聞かれました。

昔、子どものころ、
友だちと遊んでいて、聞きたくない時、
「みみ、にちよう!」といったのです。
でも、いまの子どもたちは、知らないのですね。

「お母さんに、しかられたとき、「みみ、にちよう!」と、いうのよ。」
と、いったら、すっかり、よろこんでしまいました。

帰りながら、私と手をつなぎたがる子どもたち
まだまだ、幼さをいっぱい残している。

いまごろ、家で、「だれがそんなこと教えたの?」
と、聞かれているかもしれません。
私が、お母さん方に叱られるかもしれませんね。

家の桜の蕾が、いくつもふくらんできています。


  
       1302 049.jpg
       埼玉県立近代美術館のきょうの青空



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2013年02月05日

春のくつ

春のくつ   

――こんにちは!
小学生の子どもたちがあそびにきた
玄関で 
うんどうぐつをぬぐと
ひょいと ふりかえってくつをそろえる

――おじゃまします!
一列になって
くすくすと わらいながら廊下をくる

春も
どこかで
くつをそろえているような日

開けたままのドアから
空の青いかけらがみえている




「ノート」より

昨日は立春。でも、しばらくは、春は名のみですね。

今朝、登校の防犯パトロールに行きました。雪を呼ぶような北風でした。
私は、普段は、下校時の低学年、1年生の時間をやっているのですが、
久しぶりに、高学年の子どもたちに会いました。
もう、私の背をはるかに越えている子もいます。

私学に受かった6年生の男の子に会ったので、
「おめでとう!」といったら
「もう おそいよ。」といわれました。
「なぜ? 合格後、はじめて会ったのだから」というと
「感動、終わっているよ!」と、
(それは、おそくなって、ごめんなさい!)
「また 家に遊びにいらっしゃいね」というと、
「はい」と笑顔。
低学年のとき、やんちゃの代表だったけれど、私は、いろいろお話をして大好きでした。

先日は、一軒隣りの、中学3年生の男の子が、
鍵がなくて、家に入れないので、やってきました。
今年、受験生、でも、まだまだ あどけない。
おいしそうに、ココアを飲んでくれていました。

子どもたちが、元気でいられる社会をと、いつも思います。

posted by YH at 10:46| Comment(0) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月20日

小豆の時間

小豆の時間

ひさしぶりに小豆を煮る
  ことこと

火のそばで子どもと本をひらく
  ことこと・・・

  煮えたがどうだか
  食べてみよう
  鍋をあけて一つぶつまむ まだ かたい

また ふたりでページをめくる
  ことこと・・・

ふと 子どものとき 母が使っていた大きな鍋を思い出す
鍋には小豆が煮られている
火のそばには母がいて 母のそばにはわたしがいる
たしかこんな時間があった

それぞれの物には それぞれのもっている時間がある
その物を使うとき
その物の時間をもらっている

ことこと・・

小豆にもらった時間のなかにいる


『いますぐがいい』

きょう新聞でふと目にしました、オノ・ヨーコさんのことば
「出入りする小さなドアをつくりなさい/出入りするたびに、あなたは/かがんだり、縮んだりしなければならない。/これはあなたに/あなたがどのくらいのサイズなのか/出ること、入ることは何か、を/気づかせてくれる」
「いま、「自分らしいか」、どんなときも自分らしくいることが大事でした。」
こころに残りました。

先日、お餅があるので、そう、ひさしぶりに小豆を煮ました。
部屋中に小豆のかおり、これを「冬の匂い」といった人がいました。
確かにそうですね。
そして、
わたしを、わたしらしくしてくれる、そんな気がしました。
お豆さんの時間ですね。


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2012年11月22日

こぼれる!

こぼれる!

――かみしばいやさんごっこしよう
わたしはいった
ふたりの子は目をかがやかした
――見るのは 十円だよ

はこを さしだすと
子どもたちは うれしそうに
十円を入れるまねをする

――それでは はじまり はじまり
そういって わたしは
はこを さかさまにしておいた

そのとき
―― あつ おかねがこぼれる!
子どもがさけんだ

かみしばいが おわってからも
「こぼれる!」といった
子どものしんけんな目が
わすれられなかった


『いますぐがいい』より

11月16日は、まど先生のお誕生日でした。
103歳になられます。
車椅子ですが、お元気のことをお聞きしました。
どうぞ お風邪など引かれませんように。

防犯パトロール、一年生の子どもたちと
いま なぞなぞをやりあっています。
子どもは、答えるのも、作るのも発想が自由なのですね。
道の途中で、女の子が、「おばさん ちょっと小さくなって!」といって、
ねこじゃらしを一本、私の髪のピン止めにさしてくれました



よしこケータイ(H24・9・3~11・23) 048.jpg






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2012年10月19日

夕やけ

夕やけ   

電車に
小さなおとこの子と母親が
乗ってきて
わたしの前の席にすわった

おとこの子は いきなり 
――ママのかお オレンジいろ
  オレンジいろ!
と、母親の頬をつつく

母親の顔には
夕日がきらきらあたっている
母親は疲れているのか
つつかれても目をとじている

おとこの子は
座席をくるくると
じっとしていなかったが
やがて 母子は降りていった

前の席は
急に陽が消えてしまった

おとこの子が
オレンジ色の夕やけを
ポケットいっぱいに入れていったように




「ノート」より

昨夜、BSテレビで映画をみました。
「ダウン・バイ・ロー」です。
なにげなく見たのですが、すぐに引きこまれました。

ストーリーは、刑務所で同室になった3人の男が脱走するもので、
なんということもない中、3人の人間性がていねいに描かれ、
白黒の画面がいっそう、人物を輝かせているようでした。
感動しました。ラストシーンもよかったです。
なにか、心がひろがっていくようでした。

翌日、ネットで調べてみましたら、有名な映画だったのですね。
まだ 見られていない方は、機会がありましたらぜひ。



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2012年10月03日

道の駅舎

川柳ポエトリー「道の花舎」というA4を三折りの詩誌があります。
代表は永田明正氏です。美しい季節の花のカラー版で、川柳中心に、毎号いろいろな方のエッセイが載っています。その10月号のエッセイに欄に、書かせていただきました。
このブログをみて、お声をかけてくださったこと、とてもうれしく思いました。

_____________________________________________________________

子どもの時に出会った詩  はたちよしこ

「私の耳は貝の殻、海の響きをなつかしむ」ジャン・コクトーの詩です。
子どもの時、母が教えてくれました。戦後十年程の日本、まだ日々の食物にも苦労していた頃です。けれど、母は、この詩に海の輝きを見つめ、私に話したのだと思います。神戸で生まれ育ち、夏休みは海に行く私にとって、自然に詩になじみ、以来ずっと心の中にありました。やがて長い時を経て、改めて詩の深い思いに出会いました。

昨年3月11日、東日本大震災がありました。早い復興を願わずにいられません。17年前には、阪神淡路大震災がありました。当時、母は神戸で一人暮らしていました。幸運に母は助かりましたが、家は全壊状態で、更地にする手続きに役所を回らなければなりませんでした。最後に書類を出したのは須磨でした。ようやく手続きを終えて須磨駅にもどって来た時、ふと、海を見たくなりました。

須磨駅は、駅の階段を下りるとすぐに砂浜です。海は震災があっても、子どもの時と変わりませんでした。海は輝いていました。私はコクトーの詩を思い出し、貝殻を拾って耳に当てました。その時、波の音に混ざり、間もなく壊わされていく家の家族の笑い声、トントンと二階へ上がる階段の音が聞こえてきました。

現在、私は児童文学の「少年詩」という子どもに向けての詩(中学生まで)を書いています。子どもの時に出会った詩は、時を経ても、心を支えてくれると思いつつです。

風     はたちよしこ

だれもいないのに                      
ぶらんこがゆれている

こどもたちが
かえってしまったあと

やっと
風のじゅんばんがきて

(小学2年国語教科書)

posted by YH at 14:37| Comment(2) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月14日

ふしぎな字

ふしぎな字 

「ぼ」という字を書こうとして
「ほ」に てんてんを3つもつけてしまった

まちがえた! 
こんな字はなかったね
でも あってもいいな

風の足おと
きつねのくしゃみ
樹の話し声

わたしだけの字
こっそり 使おう!



「ノート」より

ときどき、眠れない夜、
子どもの頃を思い出してみることがあります。

かくれんぼや、おにごっこをしていた土っぽい匂い。
好きでなんとなくすわっていた石段。

夏の氷屋さん。 ノコギリでごしごし氷を切っていた。
透明な氷が、ノコギリのそこだけ真っ白な粒が飛ぶのを拾った。

駅のくつ磨きの少年。

頼まれた家の前の道で、畳を縫う畳屋さん、上下に動く太い針、そばで見ていた。

白い服の戦争負傷者の方が弾くアコーデオン。

汲み取り式トイレから、桶に汲み取り、運んでくれる人
母はお礼を、半紙にていねいに包んで渡していた。
私も、ときどき渡すのを手伝った。

かって、私たち子どもは、
大人のかけがいのない仕事、生活をみていたのですね。

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2012年08月20日

路地の時間


路地の時間                

子どものころ家の近くの路地に、紙芝居屋さんが来た。
子どもたちを集める拍子木の音がすると、子どもたちは
走って行った。紙芝居屋さんは自転車で来る。後の荷
台には引き出しのある木箱を乗せていて、中には紙芝
居と売り物の飴などが入っていた。
紙芝居屋のおじさんは、特に優しいわけでもなく、い
つも淡々としていた気がする。ただ、紙芝居をする声は
地に響くように強く低く、いろいろの役柄の声色に引き
こまれていったのを憶えている。
 紙芝居屋さんは一日を、路地から路地へ動いていた。
戦後数年の日本中の大方が貧しかった時代。けれど、
路地には子どもの居場所があった。紙芝居だけではない。
ゴム飛び、石けり、夏の夕闇に紛れてのかくれんぼ。
 それは、路地がもっていた時間の中にいたのだろうか。
路地が子どもたちにくれた時間だろうか。あの路地は
もうない。長い時が過ぎたいま、夏の夕闇に、ふと、
路地の時間を思ってみる。



「ノート」より

最近、子どもからあそび唄を教わりました。

でんでらりゅーば
でてくるばってん
でんでられーけん
でてこんけん
こんこられんけん
こられられんけん
こーん こん

片方の手の平らを広げ、もう片方の手で、
始めは、げんこつ、次は親指、中指と人差し指の2本、
小指と人差し指と親指の3本を、順に乗せて動かしていくのです。
早いほどいいのです。
唄も手の動きもおもしろくて、すっかり心引かれ、
日々せっせと練習して、やっと歌いながら、少し早くできるようになりました。
子どもの時なら、もっと早く??

あそび唄は、その土地、その時代の人々の暮らしや、思いがあり、
興味深いですね。
絵描き唄も、たのしいですね。


posted by YH at 10:23| Comment(0) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

ぶらんこ

ぶらんこ

――もっと つよく
  空まで おしこんで!
おとこの子がさけんでいる

おかあさんは
おもいっきり背中をおしている
風が来ている

そばを 通り過ぎてから
ふと ふりかえると
母子はいない
ぶらんこはまだゆれている

ふたりは
空へ入っていったのだ

おひるごはんには
もどってくるつもりで


『いますぐがいい』(長崎出版)

子どもが小さかった時、
「公園めぐり」というのをしました。
家の近くの公園を、つぎつぎに回ってあそぶのです。

公園に着くたびに、
子どもは、わあ〜 ところげそうに走っていきました。

どの子も、いくつまでこんな風に、走っていくのでしょう。

でも、ひたすら走った気持ちがあったこと、素敵ですね。
ずっと、わすれないでいたいですね。
私も子どものとき、そうだったように。

家のそばの、やがて、さら地にされる雑木林で
梅の花が咲いています。


posted by YH at 10:47| Comment(2) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

下敷き


下敷き        

小学生の時、休み時間に下敷きで遊んだ。
鉄粉をのせ、裏から磁石で動かすと、いっせ
いに風に流れるように動いた。何度しても楽
しかった。冬には腕の間に挟み、こすっては
静電気をおこし、髪の毛を逆立たせた。授業
中、後ろから友達の髪の毛にもいたずらした。
らくがきもしたけれど、時どき、お風呂でピ
カピカに洗った。
けれど、六年生のころから、下敷きを使わな
くなった。「ノート」にそのまま書けるのが得
意だった。大人になった気がした。

あの下敷きは、どうしてしまったのだろう。
もう一度、会いたい。


「ノート」より

昨日は、節分。
豆撒きをしました。
どこからか、父子の大きな声が聞こえてきました。
いつか、その子がお父さんになって、子どもと豆撒きをする日が
きっと来ますね。

今年は、姉の喪中で、年賀状は失礼いたしましたが、
多くの方が、寒中お見舞いのお葉書をくださり、
驚きと、感謝でいっぱいでした。
もちろん、喪中以来、お会いする機会やお話する折のなかった方です。

喪中のとき、寒中お見舞いを出すことが、
昔からの風習にあったのかもしれません。
無くても、人の気持ちだったのですね。
私は、これまで、失礼してきたこともあったと思い、
改めて、人の気持ちのありがたさを思いました。

きょうは、立春です。
雪国は、まだまだ、大変ですが、
どこかで、春へ動きだしている気がします。

posted by YH at 10:14| Comment(0) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月12日

わかれ

わかれ

駅のロータリー
幼稚園のおとこの子とおんなの子
おかあさんたちが
 さよなら
 また あした
と手をふって
おんなの子の母子が
むこうへ歩きだした

そのとき
おとこの子が急に泣きだした

いまのかなしさを
どうしたらいいのか わからなくて
おおつぶのなみだを ぽろぽろこぼしている

おとなたちが
足ばやに過ぎていくなか

おとこの子は
声をあげて 泣いている


「いますぐがいい」より

こどものとき、親戚のようにお付き合いしていた奈良の人の家に
学校が休みになると、遊びに行きました。
姉や私と同じような歳の子がいて、よく遊びました。
春には、摘んできたつくしを、
すき焼きに入れるごちそうをしてくれました。
やさしかった、おじさん、おばさんでした。

こうして、何日か泊めていただき、帰る時がさびしくてならなかったのです。
心を残したまま、しかたがないものに引っ張られるように
うなだれて、電車に乗りました。
そして、涙ぐんでいました。

なぜ、この楽しい時間がずっと続かないのだろう。
おとなになったら、だれがなんといっても、
ずっと、別れない、たのしい日を過ごそうと思っていました。

この気持ちは、いまも同じです。
でも、さびしいのは、
そこに、優しいあたたかい時間があったからと、
おとなになって、思えるようになりました。

そして こんなさびしさを感じられる気持ちを
大切にしていきたと・・




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2011年10月17日

たの みつこさんの詩

下りロープウエイ   たの みつこ

大きくゆれて
遠足の小学生がさわぐ

―わがやのうめぼし
 そうゆうたらこわないねんて
 おばあちゃんがゆうてた

―なんでうめぼしなん?
―わからん

―わがやのうめぼし
―わがやのうめぼし
―わがやのうめぼし

かぶった運動帽が
紅白のうめぼしのよう

にぎやかにつめられて
ゆっくりと下りていく


詩集『眠れない夜は』(てらいんく)

「わがやのうめぼし」のおまじないを知っている方がおられたら
教えていただきたいです。
この詩のおばあちゃんのことばは、きっと真実の気がします。
いつか試してみたいです。(そんなときに会わない方がいいですが)
もし、試された方、お返事をくださいね。

たの みつこさんは詩誌「小さな詩集」の同人です。
竹を割ったように心地よく明るく、そして繊細な方です。

梅干しといえば、母は毎年、漬けてくれました。
いつも、大きなきれいな梅でした。
母は、梅だけでなく、お料理が上手でした。
材料は新鮮なものを選び、独創のお料理がいろいろありました。
いまになって、母にもっと教えてもらいたかったと思います。


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2011年09月07日

赤いバケツ

赤いバケツ    


小さな女の子が
おかあさんと
赤い小さなバケツをもって
砂場にやってきた
バケツをバサッとあけると
シャベル くま手 コップが落ちてきた

こどもは
砂のプリンを作りはじめる
おかあさんはそばで文庫本を読んでいる
赤いバケツに
やわらかな風が吹いている

――もう おひるねのじかんね
おかあさんと
小さな子は
バケツをもって帰っていく

バケツの中には
砂のトンネルを通り抜けた風や
ちらちらふりそそいでいたひかり
バケツのやわらかな時間が
シャベルといっしょに入っている



「ノート」より
台風の被害に合われた方に
心よりお見舞い申しあげます。
土砂崩れの一瞬のこわさを改めて思います。
一日も早い復興ができますように。

先日、家の前で、女の子がふたり、
ぬいぐるみのくまで、ままごとをして遊んでいました。

「この子も 仲間に入れてね」と
むかし、子どもが小さかったとき
あそんでいたぬいぐるみのくまを連れていくと
「わあ かわいい」と
いっしょに並べてくれました。

夕方、返しに来てくれたとき、
くまをみると、
くまのかおが、明るんでいるようでした。

くまも 久しぶりに遊んでもらって
うれしかったのですね。

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2011年07月24日

白いお砂糖

白いお砂糖
       ―わたしが小さかったとき  

ひとりであそんでいると
祖母が
おやつといって
半紙をおひねりにしたものを
渡してくれた

中には
白いお砂糖が入っていた
戦後間もないころ
白いお砂糖はぜいたくだった

あまい!
すぐになくなってしまわないように
少しずつなめる
紙がやぶれそうになるまでなめて
さいごは紙の味がした

いま 家には
白いお砂糖がいっぱいある
けれど こどものときの
どうしようもなくしあわせだった
白いお砂糖はない


「ノート」より
数日前から、風邪を引いてしまいました。
風邪は、ほとんど引かない私でしたが、
咳 鼻水、倦怠感にダウン。

昨日、家のチャイムが鳴りました。
防犯パトロールで、なかよしになった子どもの声(ときどきあそびに来ます)
――あす 遊びに来てもいいですか?

そういえば、いま 夏休み。
いつか 好きだというマカロニサラダを作ってあげる約束をしたのです。

――ごめんね。いま 風邪を引いているから
  また連絡するね。
と、断わりましたが、

早くすっかり元気になって、マカロニサラダの約束を守らなければ。

posted by YH at 18:54| Comment(2) | 詩(子どもの風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする