2013年09月08日

高橋忠治氏の出版記念

9月1日、高橋忠治氏『高橋忠治全詩集』の
出版記念会が長野メトロポリタンホテルでありました。
私も出席させていただき、改めて、高橋忠治氏のあたたかいお人柄を、
「峠の旗」同人、教え子さん、黒姫童話館の方、多くの方が、
尊敬されているのを感じました。のろ・さかん氏にもひさしぶりにお会いできました。

先日の、児童文学者協会会報の「お知らせとお便り「ひろば」」の中で
「峠の旗」を一緒に発行されてきた和田登氏が高橋忠治全詩集について
「(略)かねてから私が注目してきたのは、まず氏が古代から人類が脈々と受け継いできた魂の継続性がみられること、(略)そして、さらに注目すべきことは、戦争や原発などの社会的おおきなテーマを常に意識しつつも、それを心深く鎮め内なる声として、静かに謳っている点である。(略)」と寄せています。
少年詩集での全詩集は少なく、出版されたことを、とてもうれしく思っています。

この会の後、長野の「東山魁夷美術館」に、一人、足をのばしました。
今回は2度目で、以前も、いつかきっと来たいと思っていました。

画には、静かな中に、自然への祈りに似た思いがあります。
それは、長い時間が過ぎても、
静寂の中のひとすじの瀧になって、こころを流れています。

氏の卒業の兵庫高校には、東京芸大の卒業制作の作品が寄贈されています。
TVで見たことがありますが感動しました。いつか、見せていただきたく思います。

     
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     八ヶ岳原村。

     東山魁夷に「道」という一本の道の作品があります。
     一つの画を仕上げると、「道」の画を見て、
     じぶんを原点にもどすそうです。
     

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2013年08月26日

俳句


薫風は鏡の中に入れない

黒南風や雲はこはれず流れゆく

泳ぎ来て耳に棲みつく風の音

オムレツは舟のかたちに秋の朝

秋の風やさしいものがわたしに来

秋の風一行だけの伝言板

風あふる風鈴の海の鳴りやまぬ


「ノート」 

少し涼しくなりましたね。きょうも蝉時雨が降っています。
この夏は、ニ度、八ヶ岳原村に行きました。

一度目の時、星の夜空をみようと決めていましたが、
幸運にも、その日は、ペルセウス座流星群に出会うことができました。
星の流れるのは、ほんの一瞬、見失いそうでした。
どこへ落ちていったのでしょう。

天の川もみえていました。もあもあもあとした星の流れ。
ふしぎですね。
星空は、じっとみていると、星の数がふえてくるのです。
空に無数の星があること、すごいことなのですね。

2度目のときは、「小さな絵本美術館」に行きました。
片山 健絵本原画展。
「せんたくかあちゃん」のさとうわきこの原画もありました。
原画は力強く、生きる強さが伝わってきました。


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2013年05月27日

桜蕊

 桜蕊    

樹の下に 
散らばっているのは
マッチ棒のようです。
春を 点したのですね。



「ノート」より

すっかり、葉桜ですね。
先週、京都、奈良にお墓参りに行ってきました。

奈良で2泊、子どもの時から親戚のようだった侑ちゃんに会いました。
そのとき、父と一緒の5,6歳の私の写真を持ってきてくれました。
みんな亡くなってしまったのに、
侑ちゃんに会うと、侑ちゃんは、昔を引き寄せてくれます。
奈良の街の見下ろせるところで、食事。侑ちゃん、ありがとう!

奈良の後、淡路へ。
学生時代から仲よしの友人の家へ。
近くのホテルで海を見ながらの露天風呂や、淡路のお料理、
家では庭に生った夏ミカンのジャムを作ったり、
学生時代、
淡路にある母校の寮で、カレーを煮ているのに、
そのまま、海へ泳ぎに行き、カレーを炭にしてしまったことなど
一日中、おしゃべりのたのしい時間でした。ありがとう!

奈良では、ひとりぶらり、二月堂、
東大寺の仁王像(いつも訪ねます。元気になります)
美術博物館で、当麻寺の仏像、曼荼羅織物を見ました。


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2013年03月25日

列車


車窓は
向こうの闇を 透きとおらせ
回送列車が 走っていく

明かりのついた 車両には
椅子たちが 乗っている

白い衿をかけ
並んで
うれしそうに 座っている

どこへいくのだろう

列車は
スピードを 上げていく
最後の車両が 小さくなっても

椅子たちの
ざわめきが きこえてくた



「また すぐに会えるから」より

列車が上野駅に近づくところに
何本もの線路があり、
いつも、北斗星やカシオペアの列車が停まっています。

ときに、列車はあたまに雪を乗せていることもあります。
列車も旅をしているのでしょうか。

以前、廃線を歩いたりしたことがありました。
冬は、錆びたレールを見せ、
夏は、草にすっかり覆われています。
でも、レールは列車の音を待っているようにも思いました。
しーんとした時間があり、ふと、思い浮かべることがます。

丸田祥三『鉄道廃墟』(JTB)は、
眺めていてもこころやさしくなる本です。


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2012年11月03日

俳句


蜻蛉来て街やはらかくなりにけり

答えにはゆきつけぬまま吾亦紅

しみじみと坂上りけり秋の声

おのづから出て消えてゆく霧もまた

路地の奥また路地のあり秋燈し

戦から離れしところ稲稔り

鬼胡桃とつとつ語りつづけおり

書きかけて忘れし一行吾芒紅

シーソーの傾く先に秋の雲

鰯雲気づかぬほどの下り坂


「ノートより」

水上温泉に行ってきました。
土合口駅から谷川岳ロープウエイで天神平、峠リフトで天神尾根へ。
途中は紅葉、尾根は早や、紅葉を終えていました。
翌日、山を見ると雪のようでした。

昔、登山で来たことがあります。
かって一時期、山の会に入っていました。
天気図、ロープワークなど、机上の勉強、
雪山の装備も揃え、日々も鍛練のつもりで歩いていました。

でも、3年ほどで、会はやめました。
速く登り、下るというスピード登山に、付いていけなくなったのです。
靴の紐を結び変えていると、もう、みんなはずっと先でした。
その後は、友人とゆっくり登山をしていました。

でも、「沢登り」は楽しく、やさしいリーダーについて登っていました。
リーダーは、海外、日本の、登られた山は、千になるとおっしゃっておられたのですが、
冬山で、亡くなられました。
その方が、お元気でしたら、まだ登っていたかもしれません。
びしょびしょになって、ロープで小さな滝を登るのは素敵でした。

山にいるのは、心楽しいです。
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2012年08月11日

なすび

なすび

なすびは
青むらさきの はだか電球

つやつやと
光っているのは

なすびの内側に
何か光るものが
あふれているからでしょうか


『レモンの車輪』より

7月末、体調を崩しておりましたが、
予定していたので、八ヶ岳の原村に行ってきました。
朝夕涼しく、高原野菜が美味しかったです。

今回、原村の縄文人が住んでいた遺跡にいきました。
地中に保存で、まだ、なにもないのですが、
縄文人のつもりになり、
なんだか、元気を回復しました。

夜は満天の空。
星の流れの中で、人に出会い生きていること
宇宙のなかの、小さなじぶんを思いました。

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2012年06月19日

あやめの花

あやめの花   

だれが忘れたのでしょう
うす紫のハンカチ
結びかけのままです

きっと 母です
紫がすきでした
やわらかなハンカチで
小物を包むのがすきでした

なかに 大切なものが
入っているのかもしれません

ここで 待っていたら
母は来るでしょうか




「ノート」より

16日、17日、新潟の月岡温泉で、結社「藍生」の年一回の全国句会がありました。
全国から、100人近く集まりました。

月岡温泉は、温泉がたっぷりで、肩の凝りがほぐれるようでした。
また、句会では、互選で、私の句を多くの方が選んでくださり、最高得点に。
黒田杏子先生に、特選をいただき、うれしく思いました。

私は、会の後、新潟で、もう一泊、翌18日は、直江津、糸魚川、南小谷 松本へ
大糸線は、とても好きな路線です。
「白馬」駅からは、白馬連峰、山には、白馬の影が出ていました。
「穂高」駅では、穂高もくっきり見えました。雪山の美しさ、改めて思いました。
糸魚川からは一両車両で、8駅、南小谷から松本まで、36駅の各駅停車でした。

今朝の新聞で、6月8日、作家、赤江 漠氏が亡くなられたことを知りました。
随分前、『罪喰い』を読み、強く心引かれ、次々に赤江氏の作品を読みました。
ところが、この『罪喰い』を、人に貸したままで、何年もわすれられているようなので、
亡くなられる前日の7日に、ふたたび手に入れました。読み直してから、
作者に、お手紙をなどと、ふと、思っていただけに、
なにか、不思議な縁を感じました。
とても残念です。心より、ご冥福をお祈りしております。

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2012年05月17日

手紙

手紙
       
ポストに入れるとき
手紙は
かすかにそよぐ

出せば もう 
出会うことのない手紙

今度はもっと
やさしい気持ちで書きたい

ポストのなかで
もう一度 
手紙は そよいでいるだろうか



「ノート」より

13日、姉と父母のお墓参りで京都、奈良に行きました。
奈良で一泊しました。
子どもの時、休みのたびに、いとこのように一緒に過ごしたYちゃんの
友人の宿、奈良の高畑の旅籠「長谷川」です。飛鳥中学校のそばです。

そこのお料理の美味しいのに感動しました。
採りたての筍のお刺身、天ぷらには花筏、筍御飯、自然の素材ばかり
お漬物、秋刀魚の甘露煮、佃煮もすべて手作り。

朝には、奈良の茶粥、豆ご飯、あさりのお味噌汁の美味しかったこと。
母も茶粥をよく作っていました。私も作ろうと思いました。

近くに、母も姉も歩いた、実家へ向けての山の辺の道
その日、「峠の茶屋」までは行きませんでしたが、少し歩きました。

姉といつか、歩こうといっていた道。
一緒にいたかもしれません。


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2012年03月28日

俳句

ひと亡くてしづかな番地ねこやなぎ

雪舞ひぬ不在の遠き階段に

春の潮くりかえすことのあたらしき

春三日月うさぎの居場所狭くなり

春の闇からだにことば触れてくる

切り株の少しふくらむ春の月

春が来るいつもどおりにしておこう

春空へわたしを放り投げていい

梅咲いてキーンさんもう日本人

春の夜や象形文字になりて寝る



名古屋での「詩のフェスティバル」の後、奈良へ。
父母のお墓参りをして、白毫寺、新薬師寺、そして
東大寺の金剛力士像を見に行きました。

十二神将、仁王像を見ていると、力が湧きます。
それは、いにしえの人々の、生きる力や素朴な祈りが
いまも、生き続けているからでしょうか。
そしていつもその新鮮さに感動するのは、仏師の技でしょうか。
仏師はなにを思いながら、彫っていたのでしょうか。

秋篠寺の伎芸天は、母の面影に似ています。
私は、ずっとそう思っていたのに、母が生きている間、母に言わないままでした。
母も秋篠寺がすきでしたのに・・・
人は、大切なこといっぱい言わないまま、別れるのかもしれません。

帰り、京都で姉のお墓参りのあと、三十三間堂に行きました。
学生時代から好きで、よく行きました。
1001体の十一面千手千眼観世音。
ふと気がつくと、父母や姉に似た面影の仏像を探していました。

旅の間、Sさん、詩人のB先生、
「小さな詩集」同人の、みやもとおとめさん、杉本深由起さん
たのみつこさん 白瀧慎里子さんにお会いでき、しあわせなひとときでした。


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2011年10月03日

雑草


雑草    

根を下ろしたところで
雨とひかりを 受け止め
ひたすらに 伸びていく

倒れても
はじまりのときのように
バネにして 起き上がる

人が ときに
思いおもいの愛に
くずれていくことがあっても

風の中を
くりかえし くりかえしゆれ

問いや
答えをさがさない
ただ ひたすら
伸びていこうとしている



「ノート」より
先日、児童文学者協会付設「詩・童謡・詩論研究会」の仲間、
17人で「ちいさな旅」に出ました。
青梅線の鳩ノ巣です。東京都に、こんな自然がと、おどろきそうなところです。

宿泊の「山鳩山荘」は、貸し切りにしてくださったので、(「山鳩レストラン」は、そばサラダとハヤシライスが、とても美味しい)
食後は、仲間のピアノ、歌。
夜は、「震災 原発事故に思う」の詩を持ち寄り、話し合いの時間を持ちました。
里芋の畑、コスモス、秋海棠、川の流れの中の一泊でした。

私は、行く前、体調を崩しており、ぎりぎりまで、不安でしたが、
鳩ノ巣の駅を降りたとき、身体がかるく・・・空気が澄んでいるのですね。
鳩ノ巣は、数年前、仲間で古い家を借りていましたので、
なつかしい人たちにも、会えました。

「ちいさな旅」に、また行きたいと仲間から葉書・・きっと また・・
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2011年08月22日

かぼちゃ

かぼちゃ

まるい 家のなかで
種たちが 黄色い明かりになって
団欒している

ついこのあいだまで
この家が
花だったなんて

花だったころ
太陽からもらった光が
いま 種になって灯っている?



『レモンの車輪』より
八ヶ岳のペンション「コロボックル」に行ってきました。

霧が深く、前を行く人が、 すうっと、霧に吸い込まれるように消えていきました。
人の気配のない林の道、霧の不思議な入り口があるようでした。
もう その人はもどって来たでしょうか・・など、ふと思っています。

朝、ペンションの窓からみると、
白いレース編みのような花が咲いていました。
きっと、カラスウリの花(私は、咲いている実物を見ていないのです)と、
オーナーに聞きましたら、かぼちゃの花でした。

でも、真っ白なレース編みのようなかぼちゃの花、
こんな種類もあったのですね。
はじめて見て、感動しました。

posted by YH at 11:47| Comment(2) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月23日

雪消し

雪消し

三月の
能登でのこと
雪に埋もれた畑に
年配の人が 灰をまいていた

真っ白だった畑は
みるみる灰色になっていく
――なにを しているのですか
と思わず たずねると
「雪消し」だといわれる
そして
四月には かすみそうの種をまく
という返事

いままで
花屋の
美しい消えそうな
かすみそうしか知らなかった

雪と
灰のなかから
花を咲かせていく
ほんとうに かすみそうを知った


「いますぐがいい」より
東北関東大震災から日が過ぎても、
まだ、多くの方が
不自由な生活をされていることに、胸が痛みます。

今回、被災報道の中で、強く感じましたのは、
東北の方々の我慢強さと、この状況の中で、いつも感謝の気持ちを持っておられることに
頭の下がる思いがいたしました。

震災以来、余震、停電はあるものの、不自由なく暮らしている私にも
遠方から安否をたずねてくれる友人たち。
ほんとにありがたく思いました。

この気持ちを、被災にあわれた方に、今度は、私がお返ししなければと
改めて思いました。

いまごろ、どこかできっと、
かすみそうの種が蒔かれているのを思い浮かべています。



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2010年12月25日

ホワイトクリスマス

ホワイトクリスマス   

十一月の冷たい風が吹くころ
東北へひとりで旅をした

田沢湖へ向かうまえの 
少しの時間に
小岩井農場に立ち寄る予定を入れていた

盛岡駅からバスに乗り 農場に着くと
十一月の農場は しーんとして
地平線のような丘に
数頭の牛がねそべって
夏休みの子どもたちのイベントのポスターが
風に吹かれていた

ホルスタインのそばにいき
いっしょに座っていたが
ふと ここのチーズケーキを思い出し
農場にあるレストランに入った

ここにもだれもいなかった
心地よい木の椅子とテーブル
チーズケーキは出来たての美味しさだった
支配人の方が、
「クリスマスは、雪が降り、樅の木に灯りをいれると
とてもきれいです。
クリスマスに ぜひ泊りがけで来てください」
と声をかけてくれた

そのとき
一瞬 わたしには
窓のむこうに
雪の
しずかなホワイトクリスマスがみえた





「ノート」より
10年も前のことです。
どうぞ 楽しいクリスマスを!


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2010年08月25日

リス

リス     

枝から枝へ
空にまで
! 感嘆符を付ける
いきおい

――ねえ なにがうれしいの

無数の葉が 
風に
ゆれているだけ




「ノート」より
先週末に、八ヶ岳原村に2泊、友人と行って来ました。
何度か行っている「コロボックル」というペンションです。
オーナーの年配のご夫婦が素敵で、
帰途には、きっと、またと来ようと思うのです。

今年は、例年より、暑いとのことでしたが、
ススキ、ワレモコウ、オミナエシが、咲きはじめていました。
今回、はじめて見つけたレストラン、そこで美味しいカレーに出会いました。
一見、ライスグラタンのよう、表面はチーズで、オーブンで焼かれたカレーでした。

部屋の片隅に、薪用のストーブがありました。
しんとして、冬の出番を待っていました。
晩秋なら、まだお店が開いていて、薪の燃える火に会えるかもしれません。

ところで、2泊目の夜中のことです。
遠くを、走る列車の音を聞きました。
2度、その音に、目が覚めました。
ペンションは、JRから離れているのに、こんなところまで・・と思っていました。
翌日、オーナーに話しましたら、聞こえないですよ。ここまではといわれました。

でも、確かに、2度も聞いた、あの列車の走り去る音。
私のこころの中を、走り抜けたのでしょうか。
なつかしい人たちが乗っていたのでしょうか。

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2010年03月16日

春木場

春木場

秋田の田沢湖沿線に
春木場
という駅がある

東京の東西線の
木場
という駅を思い出した

木場に
春がついただけの
駅名だけれど
春へのおもいが
思われ

旅から
帰ってからも
春が近くなると

春木場という
単線の無人駅を
思い浮かべる



『いますぐがいい』より
「田沢湖沿線の風景は、精神状態を変えてくれるほどゆったりしている」
と、ある旅の雑誌で読み、一人出かけたことがある。
もう10年以上も前のこと。

 季節は晩秋で、途中、少しだけ立ち寄った小岩井農場は季節はずれで、
しーんとして、訪れる人もなく、牛だけがいた。
農場にあったホテルで、チーズケーキを食べた。
とてもおいしかった。
「クリスマスがとてもいいので、ぜひまた来てください」といってくださったが
以来、行っていない。
ときどき、なつかしく思い出す。

posted by YH at 09:41| Comment(2) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月30日

乗継駅


乗継駅    


糸魚川駅への乗継のため
南小谷駅に降りた
列車は
一時間の待ち合わせがある

改札の待合い所には
大きな石油ストーブが燃えている
本を読む人や
目を閉じている人たち
しーんとして
燃える音だけがしている

こんなとき 
時間は
人のそばで そよいでいる
そして 
人は 
それぞれの時間を乗継いでいく

一軒の
小さなみやげもの店があるだけの
なにもない駅で




「ノート」より
新宿から、松本、南小谷、糸魚川、直江津、新潟、秋田、五能線
青森、八戸、と
日本海を、特急列車の路線の旅でした。
冬の海、雪の町でした。

白馬のあたりで、列車に乗ってこられたお二人の方が
声をかけてくれました。
「山に登られるのですか」と。

お二人のその方は、山岳ガイドの方たちでした。
お話しているうちに、そのお一人が、
私がときどき行っている八ヶ岳原村の村長さんのことを知りました。

もうお一人、向こうの席に、偶然出会った方がおられたのですが、
その方は、90歳くらいの方で、
百名山の深田久弥さんのお知り合いだったこと、話してくれました。

「また 原村の役場に来て下さい」と
名刺をくださり、降りて行かれました。

その時、私の旅は、まだ、はじまったばかりでした。


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2009年12月16日

初冬

初冬
                
海のピアノが鳴り出す
漁村
バスを降りると

ゆっくりと
わたしの中で
はじまっていくものがある





「ノート」より
「ネバーランド」12(てらいんく)が発行されています。
11月に100歳になられたまど・みちお先生の、
「まど・みちお先生百歳 おめでとうございます」の特集号になっています。
いろいろな方の、まど先生との出会い、作品論、エッセイなどが掲載されています。

私も、「まど・みちお先生へ」と、お手紙形式で
先生の『てんぷらぴりぴり』に出会った33年前のことから、
『レモンの車輪』の絵をいただくまでのことを書かせていただきました。
図書館などでお読みいただければうれしいです。

西沢杏子さんのブログ「虫の落とし文」で
詩誌「小さな詩集」から私の詩を2編を載せてくださっています。
西沢杏子さんは、凛としたものをお持ちの素敵な詩人です。
どうぞ ブログをお訪ねください。


 
  冬の空どこかでネジのゆるみゆく    よしこ


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2009年09月15日

旅先


旅先
            
尾道に行ったときのこと
朝、ホテルの前にでると
ネコがねころんでいた
通る人が立ち止まって頭をなでていく

ノラネコらしいが
黒い毛並みが光っている
「いつも ここにいるのですよ」
と地元の人がいう

町を案内してくれるという友人を待つ間
ネコのそばにすわった
ネコは親しげに
靴の上に頭をのせる
かすかに潮のにおいがする

そういえば
飼っていたネコも
わたしの足によく頭をのせた
ふしぎなほど
人の気持ちのわかるネコだった
 
二十年も生きてくれたネコ
そのとき
わたしは出会っていたのかもしれない

家から遠く離れた旅先で



「ノート」より
稲穂を一本、手紙といっしょに
封筒に入れて、送ってくれた友人がいます。
かすかに稲のにおいがながれ、
封筒の中に秋をみつけました。


   秋の空雲にも親子あると知る      よしこ


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2009年08月19日



霧も
道に 迷うことがある
なにも 見えないなかに
ぼんやり 立ちつくして




「また すぐに会えるから」より

こどものころ、夏休みには、海に行くのがたのしみでした。
でも、お盆が過ぎると、
「泳いでいると、海の底に、足を引っぱられるからね・・・・」といわれました。
海の底から冷たい手がのびて、私の足を、しっかり掴んで離さない。
そんなことを想像しては、
こわくて、もう海へ 連れて行ってといわない。

そういえば、雷さんに、おへそをとられるとか、うそをつくと閻魔さんに舌をぬかれるとか、
いろいろいわれましたね。
でも その裏には、大切な真実があったのですね。
でも いま こどもにこんなんことをいったら、一笑されますね。

月にうさぎがいなくなってから、
少しなにかが、変わったかもしれません。
私は、月をみると、まだ いるように見えるのですが・・・

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2009年07月09日

短詩 二編


納得  

こころにも
骨があって
わたしを しゃんとさせる






おどろき


――こんなところに 空があったのね

小さな子がおどろいて
車のサイドミラーをのぞきこんでいる

サイドミラーには
青い空

きっと わたしも
こんなおどろきが いくつもあって
ここまできたのだ




「短詩ノート」より

6月末、那須黒羽に行ったとき、蛍をみました。
残念ながら 少なかったです。
時期によるのでしょうね

数年前、青梅線の奥多摩でみたときは、多かったです。
ご近所の方がカワニナを育てられた成果のようでした。

でも、蛍は ふいに 手のひらに飛んできてくれるのですね。
手が熱く、火傷しそうな・・・・
かすかに生命線を照らしてくれるような


  ゆっくりと蛍みてきた顔洗う   よしこ


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