2009年01月31日

椿

椿

椿の花は
落ちてから
地面のうえで
もういちど 咲いている

木を
みあげながら

はじめより
もっと やさしく
咲いている




「詩のランドセル4年生」(らくだ出版)


昨日、用があり、奈良で一泊。奈良は母のふるさと。
近鉄に乗り、平城京あとを見ながらの車窓。
どこまでも こうして乗っていきたいような、
身体ごと、ゆっくりなじんでいく心地良さが奈良にあります。

人には、それぞれに、好きな仏像があると思うのですが、
私は、秋篠寺の技芸天がすきです。
そして、東大寺の金剛力士像。
それが、三千の部品から出来ていることには、いつも驚かされて見ます。
そして、薬師寺の修理中のこと、千年を持ちこたえる釘を考えた人の話を思い出します。
長い歴史の奈良。
きょうから 私も、千年先のことを思って生きてみよう。

奈良は、もうすぐ、お水取り。
そして、春が来ますね。

posted by YH at 10:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月25日

「ほし草」

ほし草

すこしずつ
じぶんが かるく
からっぽに なってきた

こんな やわらかな
のんびりとした
じぶんがあったなんて





『またすぐに 会えるから』より


落葉樹は、すっかり葉を落としています。
木立の中にいくと、澄んだ青い空が広がっていて、その明るいこと。
いつもと違う風景に、思わず立ち止まってしまいました。
毎年のことなのに、毎年おどろかされるのですね。



posted by YH at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月09日

「風景」

風景

車窓から
下校の小学生たちがみえる
ベビーカーを押しているおかあさん
プラットホームで電車を待つ人たち

風景のなかの人たちは
みんな
しあわせそうに過ぎていく

もう 永遠に
出会うことのない人たちが
わたしに
やさしく過ぎ去っていく

あるとき わたしも
だれかの
しあわせな風景かもしれない 
詩集 『いますぐがいい』より



 旅の車窓は雪だったり花だったりした。
あるとき、小さな子が走りながら列車にけんめいに手を振っていたときがあった。
わたしもけんめいに手を振った。
わたしに振ってくれているわけでないのだけれど思わず…車窓は田んぼの広がる村だった。
また 旅をしたいな。 




 
   
posted by YH at 07:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月28日

「絵葉書」

絵葉書

絵葉書をください
旅先から

絵葉書は
わたしの知らない
空や
海の青を
教えてくれる

あなたが出会う
人びとや
ゆるやかな時間を
伝えてくれる

──ここに来ています

あなたの降りた駅の
ポストから
絵葉書をください

詩集 『いますぐがいい』より


思いがけず絵葉書が届く。
見ると「旅先にて」と書いてある。
友人からだ。
くりかえし眺める。
走り書きの文字、行ったことのない土地の消印、その人を思い、手書きのぬくもりを感じる。
こんな日は鉛筆でも削ってみたくなる。


posted by YH at 00:09| Comment(1) | TrackBack(0) | 詩(旅の風景) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする